○第２次訴訟判決
【第２次訴訟判決の内容と評価】
１ 判決の結論
大阪地方裁判所は，平成２３年４月２８日に，レジデンシャル－ＯＮＥを購入し被害を受けた原告７名からの髙木証券に対する損害賠償請求を認める判決を出しました。
判決では，第１次訴訟と同様，髙木証券がレジデンシャル－ＯＮＥを販売する際のリスクの説明が不十分であったという説明義務違反が認められました。過失の割合については，髙木証券側に７割の過失があり，原告側に一律３割の過失があるとされまし
た。
また，損害賠償金に対する遅延損害金については，最後の償還日から支払済みまで民法が定める５％が認められました。
２ 第１次訴訟から前進した点
第１次訴訟では，手数料（１口につき３万１５００円）が損害として認められず，また，原告が受領した分配金や償還金のうち，源泉徴収されて原告の手元に残らなかった部分まで損害金から控除されてしまったのですが，第２次訴訟では，手数料が損害として認められるとともに，分配金・償還金の源泉徴収分は損害から引かれませんでしたので，いずれも原告に有利に判断されています。
また，第１次訴訟判決では，一旦原告の過失である３割を損害から控除した上で，原告が受領した分配金等の全額をさらに差し引いたため，原告によっては，損害賠償金が大きく減少してしまったのですが，第２次判決では，原告が支払った元本と手数料から，受領した分配金等を控除した上で，３割を差し引いているので，第１次訴訟判決と比較してかなり原告に有利な損害計算方法が採られたことになります。
これらのことは，同種の投資信託に関する裁判例でも同じ結論が採られていたことからすれば，今回の第２次訴訟判決でも従来の裁判例の流れに沿って判断されたということができます。
３ 今後の課題
弁護団としては，今後も高木証券の違法性のほか，原告らが比較的安全な商品と考えてレジデンシャル-ONEを購入したという投資意向を重視し，適合性原則違反を強く主張していきたいと考えています。
また，損害については，第２次訴訟で獲得したものに加え，遅延損害金の起算日を原告にとってより有利に主張できないか検討しています。