○第２次訴訟控訴審判決
【第２次訴訟控訴審判決の内容と評価】
１ 判決の結論
大阪地方裁判所の判決に対して，原告側・髙木証券側の双方から控訴をしていましたが，大阪高等裁判所は，平成２４年３月１４日に，以下のとおり原告側の控訴を一部認める判決を言渡しました。
判決では，地方裁判所の判決と同様，髙木証券がレジデンシャル－ＯＮＥを販売する際のリスクの説明が不十分であったという説明義務違反を認めたほか，目論見書等に重大な事実の記載が掛けていたとして金融商品取引法１７条違反を認めました（同条項の違反を認めた裁判例は珍しいのではないかと思います。）
過失の割合については，地方裁判所の判決が「髙木証券側に７割の過失があり，原告側に一律３割の過失がある」としたのに対し，本判決は，高木証券の過失を８割，原告側の過失を２割としました。
また，損害賠償金に対する遅延損害金については，最後のファンドの購入日から損害賠償金の支払済みまで民法が定める５％が認められました。
２ 第２次訴訟第１審判決から前進した点
大阪地方裁判所の判決と比較して，過失相殺が原告側に有利に判断されています。また，遅延損害金の起算点についても，最後のファンドの償還日からとされていたものが，最後のファンドの購入日と変更されました。ファンドの購入日から償還日までは約３年ありますので，計算すると１５％くらいの遅延損害金が上乗せされることになります。
また，目論見書等のレバレッジリスクに関する記載が不十分であったとして，金融商品取引法１７条違反が認められました。
３ 今後の課題
今回の判決を前提とすると，一般投資家が被った損害のほぼ全額が回収できることになります。高木証券からの上告は必至と思われますので，弁護団としても全力で取組みを続けます。